腰痛の原因は“寝ている間”に作られている?夏の睡眠環境が与える影響とは

「朝起きると腰が痛い」
「寝ている間に体が冷えている気がする」
「夏になってから腰の不調が増えた」

そんな声を、神戸市内の患者様から夏になるとよく耳にします。暑い日が続くと、エアコンをつけっぱなしにしたり、薄着で寝たりすることで、気づかないうちに体が冷えて筋肉が硬くなることがあります。

ハリココ鍼灸治療院では、夏の腰痛の原因のひとつに「睡眠環境の乱れ」があると考えています。睡眠は本来、身体を回復させる大切な時間ですが、その環境や姿勢を誤ると、かえって腰痛を悪化させるリスクになりかねません。

今回は、腰痛と夏の睡眠環境との関係について詳しくご紹介いたします。


エアコンと扇風機による“無自覚な冷え”

熱帯夜が続くと、眠るときにもエアコンをつけたままにする方が増えます。寝苦しさを防ぐためには必要なことですが、注意しないと身体に冷風が直接当たり、腰やお腹、太ももなどが冷えてしまいます。

特に扇風機を長時間、身体に当てて眠ると、筋肉の表層が冷え、それが深部にまで波及して筋肉のこわばりや血行不良を引き起こすことがあります。

腰回りは、体幹の中心として多くの筋肉が集まっているため、冷えの影響を受けやすい部位でもあります。気温が高いからといって、寝具や服装を薄くしすぎると、無意識のうちに腰を冷やし、朝の腰の痛みにつながることがあるのです。


東洋医学で見る「寝冷え」と腰の関係

東洋医学では、睡眠中の冷えは「陽気(ようき)」の消耗につながるとされます。陽気とは、体を温めたり、活動を維持するエネルギーのようなもので、これが失われると身体が冷えやすく、腰や下半身に痛みが出やすくなります。

特に夏場の夜は、外気温が高くてもエアコンの影響で室内が冷えすぎる傾向があります。これにより、東洋医学でいう「腎(じん)」の働きが弱まり、結果的に腰痛の原因となると考えられています。

腎は、生命エネルギーの貯蔵庫とも言われ、腰の健康と深く関係しています。就寝中の冷えは、この腎の力を消耗し、腰痛を引き起こす大きな要因となるのです。


寝具と姿勢が腰に与える影響

もうひとつ見逃せないのが、「寝具の質」と「寝る姿勢」です。

敷布団やマットレスが柔らかすぎると、身体が沈み込み、腰の部分に余計なカーブや負担がかかることがあります。逆に硬すぎる寝具では、腰や背中の自然なカーブが支えられず、筋肉が緊張しやすくなります。

また、横向きで膝を曲げて丸くなって寝る「胎児のような姿勢」も、腰への負担が大きくなることがあります。腰がねじれたり、骨盤がゆがんだりすることで、翌朝の痛みにつながるケースもあります。

理想は、仰向けで寝て、膝の下にクッションを入れることで腰への負担を軽減することです。


ハリココ鍼灸治療院のアプローチと睡眠アドバイス

神戸のハリココ鍼灸治療院では、患者様の睡眠習慣や寝具の状況もヒアリングした上で、腰痛の原因を探っていきます。

施術では、寝冷えによって硬くなった筋肉やトリガーポイントに対して、鍼灸による深部の血流改善や緊張緩和を行います。トリガーポイントケア整体では、腰や骨盤まわりの歪みや筋膜の癒着を調整し、自然な姿勢に戻していきます。

加えて、患者様には以下のようなアドバイスをお伝えしています。

・冷房はタイマー機能を活用し、寝入り後3〜4時間で切れるようにする
・直接風が身体に当たらないよう、風向きを調整する
・夏でも腹巻や腰を守るインナーを使う
・マットレスや布団の硬さを見直す
・寝る姿勢に注意し、腰の負担を減らす工夫を取り入れる

寝ている間の「無防備な冷え」こそ、腰痛の大敵です。対策を意識するだけで、朝の腰の重さや張りが大きく改善されることもあります。


まとめ

夏場の腰痛の一因として、睡眠中の冷えや寝具の問題があることは、あまり知られていません。しかし、寝ている間の身体の状態が腰に与える影響は非常に大きく、毎日の積み重ねが慢性腰痛を招く原因となります。

神戸市須磨区・垂水区のハリココ鍼灸治療院では、生活習慣の中に潜む原因に目を向け、身体の状態だけでなく環境からも整えるサポートを行っています。